毎年恒例の健康診断

健康診断

 

もしも私が英文科だったら。

もしも私が法学部政治学科だったら。

 

もしも私が体育会だったら。

 

体育館で汗を流すような青春を送れたら。

 

もっと熱心に勉強していたら。

 

健康診断だけは、毎年同じルーティンで行われる。

学部一年で入学した私がしたように、修士二年の私が健康診断を受けている。

時間の流れは早すぎる。

 

中高で勉強ばかりしてきた私は、大学になって劣等生になりたかった。

中高で恋愛できなかった私は、自傷行為のようなセックスに溺れていくのだった。

 

ようやく、フラットな場所に来たと思う。

だけど、その場に来て思う。

私は、今の状況から抜け出すことばかりを考えていて、どこに向かうのかなんて考えてなかったということ。

留学や資格や、学業成績など、将来の自分に投資するための努力を怠って来たということ。

 

自分は望むものを手に入れることは、決してできないという自分の思い込みから抜け出すことに長い時間と道のりを費やして来たと思う。

 

そして、私は、自分が何かに熱中することなどできないと思ってしまっている。

 

何にでもなれる、なんでもできると思う頃には24歳になっていた。

それも、大してできの良くない24歳が出来上がっているわけだ。

高校時代、勉強をすればするほど自分自身が損なわれていく気がした。

 

 

私は、依然として何がしたいのかわからない。

 

私は、自分自身の一番深いところにあるコンプレックスを解消したかったし、そのために行動して来たわけだけど、手元に残ったものがあまりにも少ない。

 

風俗も、不倫も、ひとり旅も、甘いアバンチュールも、